カポエイラの帯・階級の段階とは?帯の色の変化を紹介
カポエイラの帯はバチザードと呼ばれる、1年に1度の昇段式(洗礼式)の開催時に渡されます。カポエリシタ(カポエイラの実践者)にとって非常に重要な1日です!バチザードについてはコチラ
帯はカポエリシタとしての成長の過程を表し、それぞれの帯に意味と役割が込められています。緑から始まる帯は果物が熟していくように染まり、師範の帯は「純粋」を意味する白になります。また、グループによっては帯のシステムそのものが無かったり、私たちと異なる色や、同じ帯のタイトルでも違う意味合いを持つことがあります。
今回は帯の段階にゲトカポエイラとしてどのような思いが込められているのか、紹介していきます。
ゲトカポエイラ日本支部では予め定められた帯ごとの項目(テスト)の達成と、先生方の判断をもって昇段します。昇段式前にテスト項目のチェックを行う日がありますが、先生方は一年を通じて生徒のカポエイリスタとしての成長と行動を見守り評価しています。
帯について特にお伝えしたいことは、ゲトカポエイラとして1番大切なものは目標への過程・プロセスということです。私たちはプロセスの4段階として、①まず挑戦したい気持ちを持つこと ②自分でゴールへの計画を立てること ③失敗を恐れずチャレンジすること ④最後までやり抜くこと を意識しています。憧れる技だけでなく人生の目標の達成にも、今日の夕ご飯を作る時にも必要かもしれません。カポエイラの様々な要素を通じてそのプロセスを教えてくれるものが帯であり、カポエイラに収まらず人生に活きるのではないかと考えています。
もちろん年齢やカポエイラ歴によって目標とする帯は変わり、それぞれに求められることがあります。ここからは帯の持つ意味合いを簡単に紹介します。
幼児の帯は、カポエイラの動きには名前がある!ということを知り、意識する帯です。黄緑から水色へ向かいます。この帯に挑戦できるのは幼稚園の年長さん以下の子供たちです。
ほとんどの子が初めてテストというものに触れて挑戦していきます。完璧な動きの模倣を求めるものではなく、大まかな動きを帯ごとに理解することで、段階を踏んだ自然な成長を促す帯になっています。日々の楽しいレッスンに真剣なものを加える機会という役割も持つ帯です。
子供の帯は、「カポエイラにおける成長」を学びステップアップに繋げる帯です。緑から赤へと変化し、小学校1〜6年生の子供たちが挑戦します。
地面に手をつくことが逆立ちの第一歩です。子供たちは怪我をしないように技を習得できるように、そして自分を認められるように考えられたテストに挑戦していきます。例えば黄色帯は一つ前の緑帯の発展であり、次の青帯への準備になっているのです。
もちろん動きだけがカポエイラではありません。音楽や教室での振る舞いも同じように段階が組まれており、カポエイラにおける成長を促しています。特に茶色や赤色といった上級者の帯では、他の生徒の見本となる姿が求められます。率先して行動する積極性や、他の生徒への気遣いといった謙虚さを持ってほしいと思っています。
子供たちに向けて、大人の帯のシステムを縮図したようになっています。大人の青帯と子供の青帯は違いますが、共通する点も多くあるのです。比べてみると面白いかもしれません!
ここからは大人の帯です。中学生以上の方はここからの帯に挑戦していきます。師範の最後の帯まで一つの流れになっています。
最初の大人の帯は4段階を通じて新しいことを学んで繰り返していく帯です。
カポエリシタとして認められる黄緑の帯からスタートし、カポエイラの様々な要素を細かく丁寧に確認します。ホーダ(カポエイラの実践の場・Roda)が1番の実力の発揮の場ですが、帯を通じてより一人一人にフォーカスを当てていきます。
大人の帯は小学生の帯を経た生徒の新たなスタートにもなっています。重複するテスト内容もありますが、危険な動きが増えたりと責任を持つ瞬間が多くなり、より幅広い経験と知識が必要になります。カポエイラの世界では大人として行動し、テストではケーダ(足払いなどの相手を「落とす」テクニック)の項目が多くなります。
続く指導者の帯は、指導者について学び指導者になる帯です。そのまんまですが笑
モニトーは模範生・アシスタントの意味を持ち、インストゥルトーは指導者としての準備段階。そして卒業生の意味を持つフォルマードになります。教えることが最大の学びであることに気づいていく段階が含まれる帯です。研修生の帯は通常の昇段では使われず、経験のある方がグループに来られた時などの最初の帯として用いられます。
沢山の帯の段階の中でもフォルマードは大きな節目となります。卒業生の名の通り、グループの代表の1人としてカポエイラ界でも紹介されることが増え、グループについて語れる存在です。そしてフォルマード以降はグループの中でも限られた存在になっていきます。
茶色がメインの帯、プロフェッソールはカポエイラを通して、人生の経験を語れる人になっていく帯です。
良いカポエリシタはカポエイラを生活に、そして人生に活かしていきます。プロフェッソールはそれを自身の経験も含めて伝えられる存在と言えるかもしれません。指導者として、人を育てるテクニックと経験を熟成させる帯と言われています。
赤色がメインの師範代の帯は、カポエイラ界全体に貢献し活躍する帯です。
子供の最高の帯も赤色になっています。子供の帯では他の生徒への配慮や見本となる行動が求められますが、長い経験を積まれたこの帯を持つ先生方は、カポエイラという文化そのものへの配慮や尊敬を持たれているように思います。
最後の師範の帯であるメストレは全ての色が混ざった純粋なものを意味します。先生方のお話を聞いてまとめた内容なので抽象的な表現になってしまいいましたが、光の三原色は皆さんもイメージしやすいのではないでしょうか。
現在ゲトカポエイラにはブラジル本部で活動されているメストレが3人います。1年に1度バチザード(昇段式)のタイミングで日本に招聘していますが、メストレは圧倒的な観察力があるように感じます。日本にいる期間は僅かなものですが生徒を一瞬で理解しレッスンをされています。
観察力はカポエイラにおいて最も重要な能力の一つです。カポエリシタは自分の強さを最大限に発揮するわけではありません。その時にその場に合わせた行動が大切であり、状況を理解する観察力は必須なのです。
今回は帯の段階や意味合いについて、グループとしての想いと一緒に紹介しました。ほとんど実践者向けの内容になってしまいましたがカポエリシタの道のりを帯を通じて知ることで、カポエイラのゲームも少し変わって見えるかもしれません。カポエイラは様々な要素が含まれる分、知れば知るほど新しい一面が見えて面白いのではないでしょうか?カポエイラに帯に、そしてカポエリシタの成長に興味を持つきっかけになれれば良いなと思い、簡単にまとめさせていただきました!
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