カポエイラとは
カポエイラはブラジル発祥の、武術、ダンス、歴史、音楽、哲学などが混合されたブラジルの伝統武術・伝統芸能です。
そのルーツは悲しい背景から作られています。
16世紀、ポルトガル人はブラジルでの労働力の為、アフリカに住む人たちを騙し奴隷としてブラジルのバイーア、リオデジャネイロ、ペルナンブーコに連れて行きました。
奴隷制では日の出から日の入りまで過酷で厳しい労働生活で平均寿命7年とわずかしか生きれず、そんな生活の僅かな隙間に自身のルーツであるアフリカの音楽や格闘技、ダンスを行っていたというのがルーツとなります。
アフリカという大きな大陸では出会わなかった文化がブラジルの都市で混ざり合い、過酷な環境の中で生きる喜びや生き残るための術として、その時代その時代と少しづつ変化しながら今日まで伝わり広がりを見せています。
ビリンバウという楽器やパンデイロなどの楽器を中心に円を作り全員で手拍子をします。ポルトガル語で歌い伝統音楽を演奏します。その中で攻撃や避けや反撃があり2人がゲームをします。攻撃と反撃、避けなどの攻防の中で2人で流れを作りその中で隙をついて攻撃など入れます。寸止めや、当てたとしてもコントロールしての攻撃や足払いなど様々な倒し技があり、プレイしている人や経験者はその駆け引きを感じるもののあえて勝敗をつけません。
2008年にはブラジル無形文化遺産2014年にはユネスコ世界無形文化遺産に認定されました。
世界各国で愛好家も増え、現在は世界160か国で行われています。
アメリカ、やヨーロッパやイスラエル、ロシアでは1000人規模のイベントが毎年行われています。
ブラジルでは体育の授業として取り入れられて教育面としての発展もされています。
カポエイラは師から生徒へ代々受け継がれ、動き、楽器、歌、儀式的要素、哲学には、奴隷にされた黒人の生き抜く知恵が隠されています。
多様な物が混ざり合っているから、その中に自分の好きな事が発見できます。
年齢別や性別で別れる事をしないカポエイラは相手を尊重して、尊敬し、身体の対話を通して人とのコミュニュケーションの取り方を学びます。
一つの円を作ることで協力する事や気遣いを学び、共に作り上げる楽しみや自主制を育て生きる知恵を与えてくれます。